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読書日記67

             中山元『正義論の名著』ちくま新書 (2011)

  

つづきを読み進めた。

https://labo-dokusyo-fukurou.net/2024/04/05/%e8%aa%ad%e6%9b%b8%e6%97%a5%e8%a8%9865/

今回はノージックの正義観をまとめる。

ノージックはロックの自然状態からスタートさせ、どのような国家体制が最も正義にかなっているのかを考えた。

まず、市民は労働によって生産した財を守るために、結束するだろうと想定した。

それを「相互保護協会」と読んだ。

その後、会員同士の争いを調整する役として、「連邦司法制度」というものができると考える。

ここで「最小国家」が生まれるとした。

この最小国家には、非会員と会員との争いに介入する機能が備わっている。

ノージックは、この「最小国家」こそが最も正義にふさわしい国家体制であるとした。

いわゆる「リバタリアニズム」である。

また、ノージックはロールズを批判した。

ロールズの欠点として、格差原理には個々の才能や能力が考慮されていないことや、分配の仕方に関しては、ロールズの「常にマクロから考えなければならない」という考え方は、ミクロ的には極端な分配の仕方を許容してしまうと指摘した。

かくして、ノージックはリバタリアニズムとして、今日の国家体制に対するアンチテーゼとして重要な役割を担うことになる。

つづく

公開日2022-01-27

平成生まれです。障がい者福祉関係で仕事をしながら読書を毎日しています。コメントやお問い合わせなど、お気軽にどうぞ。

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