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読書日記95

中野信子・荒川和久『「一人で生きる」が当たり前になる社会』ディスカヴァー携書 (2020)

   

こちらのつづきを読む。

https://labo-dokusyo-fukurou.net/2024/04/04/%e8%aa%ad%e6%9b%b8%e6%97%a5%e8%a8%9849/

   

今となってはまあ当たり前なのかもしれないけれども、「恋愛格差」は年収と相関性がある。

本書では、年収が高く恋愛経験も豊富な人を「恋愛強者」と呼んでいる。

確かに恋愛は弱肉強食的な要素はある。

僕が高校生の頃はどう考えても「イケメン」がモテた。今も変わらないだろう。

一方で、大人になると今度は大企業、公務員、経営者がモテる。

僕は、27、8歳くらいまではこの謎の現象を深く考えていた。

いったいどうなっているんだ、と。

ある人は、特定の環境において相対的に「強いもの(=イケメン、高収入)」がモテるという恋愛工学なる理論を唱える。たしかに当たっている。あれはあれで説得力があった。そして僕は現実に挫折する。

しかし、それも虚構であることがのちに分かる。

社会学者であれば「イケメン」「高収入」は「記号」と考えて、記号論的に説明するだろう。

生物学者はさきほどの『利己的な遺伝子』を引っ張りだして説明することだろう。

https://labo-dokusyo-fukurou.net/2024/04/08/%e8%aa%ad%e6%9b%b8%e6%97%a5%e8%a8%9894-2/

   

それでも、今の僕にはなびかない。

エーリッヒ・フロム『愛するということ』を読んだことで僕は「自己肯定感」から恋愛の本質がある程度説明できることを理解した。

本書では、恋愛強者には「自己肯定感の強い人」が多いとする。

これもこれで、ひとつひっかかかる。 

   

要するに、「ステータス」を自己肯定感の拠り所にしている人は、精神的にまだ未熟である。それはフロム氏の本を読めばよく分かる。

「イケメン」「高収入」が虚構であるということは、僕のなかではフロム氏によって論駁されている。

皮肉なことに、本書では「恋愛に興味ない」と答えている人は多変量解析によって、実は自己肯定感が低いことが示されたことを指摘している。

まずは社会のあらゆる虚構に気づく。

話はそこからではないか。

つづく

公開日2022-02-03

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