プラトン『国家 (上) 』を300ページほどまで読み進める。
「これは正しいと思われます」
「では○○は?」
「そうです」
質問と回答の応酬がつづいていく。
指導者たる者は身体が健康で丈夫である必要があるが、過度に丈夫である必要はない。
医師を必要とするときはやむを得ないときのみが理想で、節制を保つことが要求される。
その後、経験について考察が進む。
指導者は若年であるべきか、老年であるべきか。
経験値の観点から老年であるべきと考えが一致する。
ではどうやって選べばよいか。
それは、今まで考察したことをクリアできる人間を選べばよい、という流れになり、次期指導者たる若者をふるいにかけ選別すればよい、という結論に達する。
次に指導者と国民の富について考察が進む。
例えば、パン職人が大金持ちになるとパンを作ることはやめるだろう、という予想をたてる。
分業を基盤として考察した以上、分業の秩序が崩壊することを避けなければならない、それは国家の崩壊を意味する。
指導者に関しても富が多い場合には弊害があるとし、できるだけ少ないほうが望ましいという帰結になる。
以上、300ページから先は富と戦争に話が進んでいく。
国家という大きな世界を扱うがゆえに著書『国家』は長い。
ようやく全体(上下)の1/3を読み終えた感覚である。
つづく
公開日2022-03-21