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読書日記220

     斎藤幸平『人新世の「資本論」』集英社新書(2020年)

   

つづきを読み進めた。

https://labo-dokusyo-fukurou.net/2024/04/21/%e8%aa%ad%e6%9b%b8%e6%97%a5%e8%a8%98219/

  

斉藤氏によれば、経済成長と環境負荷低減の同時達成、いわゆる「デカップリング」は市場の原理では起こり得ないとする。

『石炭問題』で示されたのは、技術の効率化や炭素の廉価化がもたらしたのは更なる石炭消費の増大でしかなかった。

  

また、仮に電気自動車に置き換わったところでそのエネルギーを生む出すためには、そのために別の資源を消費し、結局は二酸化炭素を更に排出することになるだけであるとのこと。

また、SDGsはコバルトやリチウムの採取のため、先進国が南側諸国の環境破壊や過酷な労働を強いることが前提で成り立っていることなども挙げられた。個人的には印象に残る。

  

斉藤氏によれば、部分的には楽観的な学者たちがそのことに気付き始め、脱成長へシフトしつつある。

僕としては、本書を全部読み終わったあとすぐに楽観論者の論理を別の本から見ていきたい。

つづく

公開日2022-03-28

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