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読書日記224

ダニエル・サスキンド『AI時代の新「大きな政府論」』みすず書房 (2022年)

  

ダニエル・サスキンド『AI時代の新「大きな政府論」』のつづきを読み進める。

https://labo-dokusyo-fukurou.net/2024/04/21/%e8%aa%ad%e6%9b%b8%e6%97%a5%e8%a8%98218/

  

ピケティが示したデータ等を参考にしながら著者は格差についていろいろと述べた。

まず、ジニ係数 (0⇒完全に平等、1⇒完全に不平等) は世界規模で上昇中であるとのこと。

また、ピケティの示したとおり、資本 (土地、株式、有形資産、無形資産etc.) をたくさん所有している人間ほど年間の所得がどんどん増えていく傾向にある。

最も皮肉なところが、ロールズ『正義論』において、”不平等とは社会の中で「最も不利な立場にある者に最大の恩恵」となる際に許容される” と主張したが、現実は全くそのような「正義」は機能せずに労働者が相対的にどんどん貧しくなっている。

著者によれば、この最たる原因は「テクノロジー」であるとされる。

つまりは、このまま新自由主義を支持し市場の原理に全てを任せれば確実に労働者は更に貧乏になる、ということである。

だから「大きな政府」だけがこの先を救う唯一の道である、きっとそんな思いでこの本は書かれたのだろうと解釈した。

テクノロジーの進歩は「善悪」の次元の話ではないとは誰かが言っていたが、政治には「善悪」はハッキリ存在するだろう。

つづく

公開日2022-03-28

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