宮本弘暁『101のデータで読む日本の未来』PHP新書 (2022年) を150ページ弱読む。
本書によれば、日本の失われた20年は「メガトレンド」に乗り遅れたからだとされる。
この20年の間に技術的な発展、特にIT分野において世界に遅れを取ったために、パンデミックによる給付金の給付が世界と比べ「あり得ないほどの遅さ」になってしまったと指摘する。
前半では背景や問題点などが提示され、150ページ以降にその詳細が述べられる。
まだ本書の本題に入り込んでいない現在、この記事ではここまで読んだ個人的な感想を書いて終わりにしたい。
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こういう類いの本は、往々にして個人的なことが無視されがちである。
それはマクロから分析したデータを語っていく本書の性質上致し方ない。
そういう意味においては、全体的なことを語っているように見えても、実は部分的なことしか語られていないのでは?
と、読者なりに感想を持つことは自然ではないだろうか。
とはいえ、「部分をいくら詳細に見たところで全体の挙動は変わらない」という物体の運動の如く、世の中を上手に認識するには部分を無視するしかないのだろうか。
エントロピー増大の原理のように、経済も「成長 ≒ 増大」していく定めなのだろうか。
成長に関する考察は次回に譲るとして、僕はこのエントロピーに抗う方法、生物で言えば「負のエントロピーを食べる」如く、そのような模索をしてもいいのではないか、とも感じる。
つづく
公開日2022-03-25