ラボ読書梟 (旧 はてなブログ大学文学部)

読書日記263

   神代健彦『「生存競争」教育への反抗』集英社新書 (2020)

■株式会社集英社

公式HP:https://www.shueisha.co.jp/

公式X(集英社新書編集部)(旧 Twitter):https://twitter.com/Shueishashinsho?ref_src=twsrc%5Egoogle%7Ctwcamp%5Eserp%7Ctwgr%5Eauthor

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

日記

神代健彦『「生存競争」教育への反抗』のつづきを読む。

https://labo-dokusyo-fukurou.net/2024/04/27/%e8%aa%ad%e6%9b%b8%e6%97%a5%e8%a8%98262/

  

今教育が抱える論点を理解することができた。

著者は、近年の日本は「教育依存症」に陥っていると指摘する。

特徴として、子供に対する過度な教育への期待や投資、学校不信等が挙げられる。

教育依存症という概念はアメリカの教育学者ラバリーによるものだとされる。

教育の歴史は以下の3点のせめぎ合いとされる。

  

・社会移動

・社会的効率

・民主的平等

  

社会移動は、端的にいえば「這い上がる」ことを示す。

例えば両親が高卒のケースでは、子供が大学を卒業し、地位の高い職へ就くことが「社会移動」とされる。

社会的効率とは国益への寄与のことをさす。

  

民主的平等とは誰もが等しく平等な教育の提供をさす。義務教育がこれに当たる。

もともと義務教育は平等化を目的としてスタートしたが、結果的に現代では「公立/私立」の二分化により格差が発生している。

日本は飛び級が無く、能力の高い子供に英才教育を施す文化が無い。それは国があくまで平等を目的として教育を普及させたからでもある。

もし飛び級を許可し、能力の高い子供に特化したプログラムを提供するとなれば更なる格差拡大を招くと考えられる。

  

一方家庭においては、教育は社会移動が目的となっている節がある。

著者によれば、この領域は国ではなく保護者に委ねられているとする。

個人的に感じたことは、長期的に考えて3点における優先順位をあらゆるファクトを考慮しながら決めることが大事である。

   

国益のためになるからといって、社会的効率を目指す際のリスクを見逃してはならない。

格差を是正させるからといって、長期的に国が傾くのも大変である。

データが物をいう難しい時代だと感じた。

つづく

公開日2022-04-06

次へ 投稿

前へ 投稿

返信する

© 2024 ラボ読書梟 (旧 はてなブログ大学文学部)

テーマの著者 Anders Norén