■株式会社幻冬舎
公式HP:https://www.gentosha.co.jp/
公式X(旧 Twitter):https://twitter.com/BOOKS_GENTOSHA?ref_src=twsrc%5Egoogle%7Ctwcamp%5Eserp%7Ctwgr%5Eauthor
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
日記
鍋田恭孝『子どものまま中年化する若者たち:根拠なき万能感とあきらめの心理』幻冬舎新書 (2015年) を読む。
若者の生きづらさを擁護する本もあれば、若者を「情けない」と叱る本も多数ある。
私としては、この生きづらさは世界レベルで起きている問題と考えている。
著者の主旨としては、端的に「若者には覇気がない」「指示待ち人間が多い=無能」というものであった。
本書が出版された2015年は、私はまだ23,4歳であったので一応「若者の代弁者」として本書について語りたい。
著者の主張は否定できるものではない。
現に、私もエネルギーのない同級生を沢山見てきた。また、貧困のせいか、少子化のせいかは分からないが、結婚に対して絶望感を抱く男の同級生も沢山見てきた。
とにかく現実的な人が多かったのは確かである。
秋嶋亮氏や内海聡氏といった、いわゆる「極左」系の本ではこの問題をグローバリゼーションと結びつけて論じられる。
また、個人的にもこれは日本という枠組み (物理学でいうならば「系」) を越えたものだと考える。
著者は精神科医であるので、臨床経験から若者をミクロ的に論じているが、正直なところ説得力はあまり無い。
「若者は統合的に考える力がない」と著者は言うが、著者もマクロの視点から考えきれていない印象を持った。
グローバリゼーションに関してはまだまだ勉強が足りないので、もっと勉強をしていきたい。
つづく
公開日2022-05-11