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読書日記401

フランクル『虚無感について:心理学と哲学への挑戦』青土社 (2015)

■株式会社青土社

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日記

フランクル『虚無感について』のつづきを読む。

https://labo-dokusyo-fukurou.net/2024/05/11/%e8%aa%ad%e6%9b%b8%e6%97%a5%e8%a8%98393/

  

100項まで読み進めた。

ロゴセラピーの人間に対する理解は以下の3つに反対するものであると書かれている。

・汎決定論

・ホメオスタシス理論

・還元主義

汎決定論とはフランクルの造語であり、端的に言えば遺伝子や環境で人間を規定する態度を否定するものである。

強制収容所の絶望に耐え抜いたフランクルは、人間は意志の力で克服できる可能性を力説する。換言すれば、未来は意志の力で変えることができる。それはつまり、未来は決定論のように定まっていないという信念である。

ホメオスタシスとは外部の条件(気温や気圧)が変化しても内部の状態が一定の状態を維持する力のことをさす。

長くなるので詳しくは割愛するが、フランクルはフロイトの快楽原則とは違う見方をしており、意味の充足の副産物として快楽が発生するという捉え方をしている。

還元主義とは、実証主義のようなもので、抽象的な概念などを観察可能な現象から説明していこうとする態度をさす。フランクルは、人間は生物学や心理学等で説明できる存在ではなく、それらを超越する存在として「次元論的存在論」を提唱する。

これは円錐を想像して頂ければ理解しやすい。

円錐はある角度から影を投影すれば「円」でもあり「三角形」でもある。

当然、円と三角形は等価ではない。

このように、生物学として投影された人間像と、心理学として投影された人間像にも矛盾があると主張する。

それゆえに、フランクルは還元主義に反対する。

今後、心理学のような学問はますます実証主義の傾向に向かっていく。

人間はどこまで物事を定量化したがるのだろうか。

人間は何を管理したがるのだろうか。何を定量化したがるのだろうか。

アカデミズムの動向に注目したい。

つづく

公開日2022-05-15

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