■株式会社草思社
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日記
ヘルマン・ヘッセ『ヘッセの読書術』のつづきを読む。
独特の言い回しに少しまいったが、なんとか100ページほど読みすすめる。
ヘッセは「類型論」のように読者を3段階に分類する。
第一段階は無批判な者。
第二段階は批判的な者。
第三段階は自分の世界を持っている者。
ヘッセも、本を読んでもなにも残らない読書に関しては批判的である。
それが第一段階とされる。
本の内容は気にせず、どれだけ興奮したか、それだけ楽しめたかという点において本を評価するような者を第一段階とした。
第二段階は、著者が自由に書いているつもりでもなんらかの形式等によって自由に書いているとは考えない読者とした。
第三段階は、ある精神的見解はひとつの極であって、その対して等しい価値をもつ対極が存在するということを知っているような読者とした。
読者はひとつの段階にとどまるのではなく、この3つの段階を行ったり来たりが望ましいとヘッセは述べる。
哲学的な内容であり、ヘッセの思想の断片を覗くことができたように思う。
つづく
公開日2022-05-14