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読書日記416

仲正昌樹『続・FOOL on the SNS -反ポストモダンに物申す-』明月堂書店 (2018年)

■株式会社明月堂書店

公式HP:http://meigetu.net/?p=7480

公式X(旧 Twitter):不明

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日記

仲正昌樹『続・FOOL on the SNS -反ポストモダンに物申す-』明月堂書店 (2018年) を読む。

こちらの続編となっている。

https://labo-dokusyo-fukurou.net/2024/05/10/%e4%bb%b2%e6%ad%a3%e6%98%8c%e6%a8%b9%e3%80%8efool-on-the-sns%e3%83%bc%e3%82%bb%e3%83%b3%e3%82%bb%e3%82%a4%e3%83%8f%e6%86%82%e9%ac%b1%e3%83%87%e3%82%a2%e3%83%ab%e3%80%8f%e8%aa%ad%e4%ba%86/

  

本書を読むと、プロから見ると素人はどういう点において批評する能力がないのかが理解できる。

現代哲学では知覚や心について掘り下げる研究が行われている。

これらは認知科学や心理学に接近する学問となっている。

仲正氏によると、ポストモダン系の思想家が論じてきたものはあくまで「メタ」レベルのお話で、解釈に留まる。

直接科学に関する領域まで取り扱っているわけではないとされる。

素人はその細部について論じることができない。

ソーカル事件をきっかけに掲示板等、ネットを中心に展開された仲正氏への攻撃のように、そのソーカル事件の詳細・全容を把握せずにただ拾ってきた情報を鵜呑みにしているだけでは、自分の頭で考えたことにはならない。したがってそれは批評でもなければただの人格攻撃となる。当然と言えば当然である。

人文系の博士課程においては、海外の論文を原典から丹念に読み込むことは絶対的に必要なことである。それを行っていない人間に何が批評できるというのか、というのが主な主旨であった。

学問としての哲学と、人生論のような教義は似て非なるもの。

哲学とは物事を掘り下げる作業であって、後者は必ずしもそうではない。

最近は英語ですら読むのが億劫となっている私は、哲学を大学院で研究しようとまではとても考えられない。本書を読むと気が遠くなる。

つづく

公開日2022-05-19

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