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新・読書日記65

      辻山良雄『しぶとい十人の本屋』朝日出版社(2024)

■株式会社朝日出版社

公式HP:https://www.asahipress.com/

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      テリー・イーグルトン『文化と神の死』青土社(2021)

■株式会社青土社

公式HP:http://www.seidosha.co.jp/

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メモ

“絶対性を撥ねつけることは、ノヴァーリスにとって、まさに努力の前提条件である。「私たちにおける終わることのない自由な活動は」とノヴァーリスは書く、「みずから進んで絶対性を放棄することから発生するーー私たちにあたえられうる唯一可能な絶対性とは、絶対的なものは手に入れることも知ることもできないという無力を通してのみ見出されるものである」と。それゆえ、哲学することの衝動は、終わりのない活動であり、「そして、終わりのないのは、絶対的な根拠を求めてやみがたく駆り立てられながらも相対的にしか充たされることはなく、それゆえ止むことのない永遠の衝迫が存在するからである」。「私たちはあらゆる場所に絶対性を探し求める」とノヴァーリスは書く、「だが、いつも有限のものしかみつけられない」。” P149-150

   


感想

いきたくても遠くてなかなか行けない、「本屋title」の店主、辻山氏の新しい本が出た。これはぜひ読みたいと思い、手に取ることにした。

今日は「走る本屋さん 高久書店」の店主、高木氏と辻山氏の対談を読んでみた。

  

多売薄利の本を売ることに賭けるということ。本が読まれなくなっている時代に敢えて本を売ること。

これは打算を超えたなにかによって動いているとしか思えないと自分は日々感じている。

ポジティブな衝動。前向きな使命感。

読んでいて、明らかに大変というよりかは過酷だとは思いながらも、自分もいつか本屋を開いてみたいという思いに少しだけ火がついた。

  

つい最近、購入した本に一般社団法人日本出版者協議会の小さな冊子がはさまっていることに気がついた。

なにか重要なメッセージが込められているかもしれないと思い、最後まで目を通した。

そこにはポイント制に反対する理由と、予想される反論への回答が書かれていた。

   

近年の中小の書店がつぶれていく原因として二つ挙げられていた。

・ポイントサービスの導入

・Amazonのような大企業の市場の独占

  

おそらく、多売薄利の原則によって、ポイントサービスの導入は中小書店を壊滅的な状況にさせる。

スーパーマーケットなどで、ひとつの商品を万引きされると、損失分を回収するにはその商品が10個くらい売れなければならない、という話を聞いたことがある。

ポイント制によって消費者は「大型書店とかAmazonで買ったほうが得だよね」という思考になるのは当然と言える。

(ちなみに、この記事を書いている私、読書梟はどこの書店でも買い物をする。しかしながら、やはり相対的には専門書が多い大型書店で買うことが多い)

  

・・・

無人レジを導入することによって、店員との会話が消滅してしまうという、本書の指摘は正しい。

たしかマクルーハンの『グーテンベルクの銀河系』に書いてあったことだ。それによれば、仕事が機械的になればなるほど人間の行動も機械的になっていくというものであった。これは当たっている。

本屋が完全に無人レジ化した光景を想像してみる。

店に言葉は沢山あるにもかかわらず、会話が皆無という、ある意味皮肉な状況がそこにはある。

  

本を選び、購入するプロセスがどことなく機械的にみえる。否。もはや自動的、そして機械的である。

単なる情報交換のための言語利用しかしなくなったとき、それこそ人間はAIに地位を譲る瞬間ではないだろうか。

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