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日記
高橋和巳『我が心は石にあらず』は300ページまで進んだ。
芸術至上主義者と言われた三島由紀夫文学と対比させると、純文学の彼とは違い、高橋和巳文学はプロレタリア文学に近く、哲学者という側面においては両者とも似ている反面、なぜここまで文学的特徴が異なるのかが個人的に不思議であり、興味深くもある。
三島由紀夫は「からっぽ」な経済大国の日本を憂いたが、高橋和巳は何に憂いたか。
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「事実/価値」問題についてもう一度突き詰めてみたいと思った。
ひとまずカントの用語を復習。
「全ての独身男性は結婚していない」のように、「意味によって真」となる命題を「分析的」とし、「分析的でない真理」を「総合的」とカントは区別した。
また、カントは「数学は総合的であるとともにアプリオリである」と述べた。
以後、現代哲学者たちの議論について語られた。
ヒューム、クワイン、カルナップ、フレーゲなど、哲学史に興味を持ったあの頃の学者たちの仕事を追いたい。
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リオタール、ドゥルーズ、デリダはカントの『判断力批判』をそれぞれ独自に優れた解釈を行ったと小田部氏は書いていた。
『判断力批判』は厳密な定義がなされないまま議論が進む箇所が複数あるため、解釈の幅が生まれてしまうと自分では解釈した。
『判断力批判』は美学の古典と位置付けられるが、論理には穴がありそれをポストモダン系統の思想家たちが埋め合わせしているようである。
読んでいて疲労するが端的に面白い。
公開日2023/3/1