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日記
小坂井氏を突き動かしたのは実は「矛盾」であったことが分かった。
『責任という虚構』と『格差という虚構』が生まれたのは矛盾の力だ。
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問いつづけることとは「判断の保留」である。
「決断」とは「選ぶこと」である。しかし選択肢に答えが存在しているとは限らない。
だから人は選んだことを再度振り返り、それが正しかったのか問う。
そもそも「答え」とはなにか。
答えは客観的なものと主観的なものがある。
前者は論理的な系に属し、後者は必ずしもそうではない。
事実無根であっても個人が心底から納得できればそれも主観的な答えとなる。
人は納得するために答えを探そうとする。
納得したことによって「答え」に変化することもある。
だから納得は「答え」と共通点がある。
納得できるから答えなのか。納得できないからそうでないのか。
・・・
無意味な長い散文よりも、矛盾を含んだシンプルな一言のほうが示唆的であることが往々にしてある。
ベイトソンは、矛盾のない言語コミュニケーションは人間らしくないと書いていた。
矛盾のない言語コミュニケーションは単純な情報の交換に過ぎない。
なぜ矛盾が生まれるのか。
これは物質であるニューロンのかたまりが精神を生み出すという「飛躍」のようなものかもしれない。
この説明不可能な「飛躍」こそが矛盾の力ではないだろうか。
公開日2023/9/12