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その他数冊
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日記
『人はなぜ「自由」から逃走するのか:エーリヒ・フロムとともに考える』
メモ
ルター・・・・プロテスタントを生むきっかけとなった人物。16世紀の宗教改革に貢献。
三十年戦争・・・・正教分離のきっかけとなった戦争。(ウェストファリア条約)
⇒カトリックの弱体化。「~からの自由(本書では「消極的自由」と表現される)」の拡大。抽象的な「選択の自由」が増える。
(フロム)
“ルターは人々を教会の権威から解放する一方で、人々をなお一層専制的な権威に服従させた。その権威とは、救済のための本質的条件として、人間の完全な服従と、自己を無化することを要求する神である。ルターの「信仰」は、自己を放棄することを条件とする、愛されていることへの確信であった。それは国家と「指導者」に対する個人の絶対服従という原理と、多くの点で共通点を持つ解決法だ(八九貢以下)。” P70
全体主義を宗教社会学的に捉えていくことで何が言えるのか。そういうことを考えさせられる内容であった。
フロム「カルヴァンの予定説 ≒ ナチスのイデオロギー」
“フロムは「永劫の罰に定められた者」を蔑視することで、自分たちが「救われる者=選民」であることを確信しようとするエリート意識を、カルヴァン派の特徴と見ているわけである。” P75
“ドイツ帝国の人口の三分の二は、プロテスタントであった。” P76
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『布団の中から蜂起せよーアナーカ・フェミニズムのための断章』
メモ
愛は地球を救う、に言及
“くどいようだが、みんな「愛」に具体的なものを委ねすぎなのだ。解像度を下げて大きい括りに回収させる、この繰り返しで「愛」はすっかり幅を利かせているではないか。「愛」の専制は「愛」をそもそも理解できない、必要としていない人たちをシャットアウトするセントリズムであるし、「愛」概念をよくないものの隠れ蓑として機能させてしまう危うさである” P175
セントリズム ( centrism) ・・・・・穏健主義
穏健主義・・・・大幅な社会変動を避ける主流
“今一番警戒すべきなのは、この「ゆるい合意でがんがん拡大するあやふやな概念」なのではないかと感じている。” P174
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『14歳からの社会学:これからの社会を生きる君に』
人生論としても本書を読めると感じた。
何回も読み直しても何らかの新しい気づきが得られる。
クロード・レヴィ=ストロースは、『野生の思考』のなかである部族の婚姻の構造が数学における「群論」という、高度で抽象的な法則で説明できることを論じたとされている。
いうまでもなく、その婚姻の制度は数学から構築されたわけではなく、「無意識」のうちに習慣でそうなってきたとされる。
社会には「無意識」のうちに、人が気づかないままコミットしている価値観がおそらく人それぞれ多く存在する。
本書はそれを「俯瞰せよ」という宮台氏のメッセージとも受け取れる。
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宮台氏の性愛に関する考察は、おそらく一般受けはよくないかもしれないが、学べることは多くある。
おそらく現代は間接的なコミュニケーションが増えすぎた。
ZOOM、LINE、SNS、etc.
今は殴り合いの喧嘩も昔以上にはないだろうし、悪い意味でおとなしくなってしまったのかもしれない。
例外も沢山あるが、あくまで全体の統計的な話としては。
自己家畜化という言葉が好きな人は「これは管理社会による家畜化のせいですわ」と言うかもしれない。
そうかもしれないが、なにか違う気がしないでもない。
おとなしいというのは、賢くなったことの裏返しでもあるかもしれない。
打算的になったことで、傷つくくらいなら好きなことをやっていたほうがいいだとか、恋愛はコスパが悪いから云々、結婚も云々。
仮説を挙げればキリがない。
大きな問題を、小さな問題の積み上げで捉えていく研究は途方もない作業だろう。
社会学は大変な仕事だろうと思わせられた。
公開日2024/3/22