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日記
今では無料でビニール袋をつけてくれるお店のほうが珍しくなった。
ストローも部分的にはプラスチックが廃止されている。本当に意味があるのか。問わずにはいられなかった。
3年くらい前に海岸でゴミ拾いを手伝ったときの光景を思い出す。たしかにプラスチックは海に漂っている、それを目の当たりにした。
プラスチックは濡れている状態では紫外線によって分解されることはない。プラスチックが分解されるにはあまりにも長い時間がかかる。仮に微粒子レベルの大きさに分解されたとしても、プランクトンが摂取し、プランクトンを餌にする生物が摂取し、それを魚が摂取し、最後には人間が食べる。人間は今やプラスチックを食べる存在となった。
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メモ
“海洋プラスチックはどれだけ分散していようと、多大な害を及ぼす。(・・・)すでにヒナが死亡する一番の原因はプラスチックを摂取することになっており、鳥の種類によってはヒナの半数近くがその犠牲になってい る。” P57
“しかも、プラスチック自体が海水から有機汚染物質を吸収する場合があるので、海洋生物にとっては体内に取りこんだときの危険度がなおさら高くなる。” P57
・いまや空気中にもプラスチックは微量に含まれる
著者「地球の表面にプラスチックの粒子が降りそそいでいる」
⇒透明なプラスチックの不透明な問題
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次にエネルギーやリサイクルの話に移った。
考えられないくらい複雑な問題で、今日立ち読みしたどの本も明確な解決策を見出せていないように自分には見えた。実際そうだと思われる。
著者はいろいろと語る。
“(・・・)この種のムダを減らすには知識が必要であり、その品目を製造することで社会にどれだけ損害を与えるか、またそれを処分することが社会をどれだけ害するかを把握しなくてはいけない。そのふたつの情報がそろえば、課税、禁止、デポジットのうちどれが最良の選択なのかを見極められる。” P71
“ルターが批判の中でとくに強調したのは、罪を帳消しにする「魔法の切り札」を金で買えるようにすると、人はかえって多くの罪を犯すという点だった。” P91
これはマイケル・サンデル『それをお金で買いますか』で語られたことと同じである。
保育園で、子供の迎えに遅刻する親に罰金を科したところ、むしろ遅刻が増えたのだという。
それは、罰金が「罪を犯すための料金」に変容したからであった。
つまり、「それだけ払えば遅刻してもいいよね」という考えに変わるのである。そして、一度変わった規範はそう簡単には元に戻らないということが書かれていた。
自分は政策の立案に関わることはないのでここで何か具体的なことは書けないが、環境問題に関する政策はより慎重にせよというメッセージは伝わる。
認知心理学、社会心理学、その他いろいろな分野の研究が政策に応用されていくことを期待したい。
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メモ
“イギリスの哲学者トマス・ホッブズは「地獄とは、真実に気づくのが遅すぎることである」という名言を残した。” P17
(ソクラテス)”「英知は用語の定義から始まる」” P20
発砲スチロールについて
“発砲スチロールを安価に手間なくリサイクルするのは不可能だというのが報告書の結論だった。” P33
・無駄なものが有用に変わる例
⇒一般廃棄物を何度も穴に埋めていく際、最下層に汚染水がたまる(埋立地ガスと呼ばれる)
⇒これが上手い具合にエネルギーに変換できるという
“ムダにしか見えないものから価値を生むことにかけては、埋立地ガスをエネルギーに変換することほど鮮やかな事例はそうないといっていい。” P39
つづく
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『ハイテク企業のトップは、なぜ、わが子からスマホを遠ざけるのか: 学校図書館の使命と可能性』
著者が語る民主主義の意義
“さらに、民主主義とはなにかと問われるならば、人びとがあらゆる抑圧から解放され、自分の思想や信条を、自分の言葉で表現する自由を獲得するための行為だ、とわたしは答える。” P27
しかし『情報支配社会』は民主主義に虚無的な見方を示す
・デジタル合理性について
“コミュニケーションも討議もなしで済ます合理性のありかたを、デジタル合理性と呼ぶことができる。” P75
・共通前提の崩壊はコミュニケーションの前提条件をも変化させる
“(・・・)現代社会の市民は、議論を始めるにあたって、議論の場そのものの共有を信じることができない。” P73
このあたりを読むと西部邁の語ったニヒリズムを思い出す。(『虚無の構造』)
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『ハイテク企業のトップは、なぜ、わが子からスマホを遠ざけるのか: 学校図書館の使命と可能性』つづき
ニコラス・G・のカー(’『ネット・バカ インターネットがわたしたちの脳にしていること』の著者)が語った言葉
“カーはのちに大事なことに気がついた。何十万冊もの中に囲まれていたのに、「情報過多」に由来する症状だとされる今日の不安感を、図書館で感じた記憶はないということだ。” P91
(カーの言葉)
“あの本たちの控え目さには、何か心を安らかにさせるようなものがあった。然るべき読者が現れて、自分を棚から引き出してくれることを、彼らは何年でも、何十年でも待つことができた。彼らは埃っぽい声でわたしにささやいていた。「ごゆっくり。わたしたちはどこにも行かないからね」。” P91
メモ
アメリカの言語学者スティーブン・クラッシェンの言葉
“クラッシェンは、その著書『読書はパワー』(長倉美恵子ほか共訳・金の星社)のなかで、「過去の研究論文や著書のどれもが、読書はリテラシーを発展させ、読解、文体、語彙、文法、つづりの能力を増進させる、強力な手段である」と言い、「直接的な言語指導よりも読書のほうが効果的手段であると、どの調査からも証明され、科学的に裏づけられた」と説いている。” P201
注意散漫とは、意識が断片的で非連続的にさせる。それがインターネットの情報の入れ替わりの構造(ネットニュースやYoutubeは常に入れ替わりが激しく、かつそれぞれは断片的でほとんどが連続性、ストーリー性に欠ける)と類似していると自分には思われた。
人間は模倣する生き物であるが、インターネットの性質がそのまま意識にコピーされているのかもしれない。
つづく