
仲正昌樹『いまこそハイエクに学べ: 「戦略」としての思想史』春秋社(2020)
フリードリヒ・ハイエク『日経BPクラシックス 貨幣発行自由化論 改訂版――競争通貨の理論と実行に関する分析』日経BP(2020)
池田晶子『考える日々 全編』毎日新聞出版(2014)
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日記
グレシャムの法則に近いことが本にもあるのではなかと思い、経済学のコーナーでいろいろと本を物色していると『日経BPクラシックス 貨幣発行自由化論 改訂版――競争通貨の理論と実行に関する分析』という本に出会った。
ハイエクは今まであまり興味が持てず敬遠していたが、この本にはグレシャムの法則について書いてあったのでとりあえず読んでみることにした。
とはいいつつも、やはり難しい。難しいので仲正教授の本に助けをもらうことにした。
メモ
“だがアダム・スミスは「自然な自由の体制では、統治者が遂行しなければならない義務は三つしかない」と言ったとき、そこに貨幣発行の管理を含めていない。これは意味深長である。” P61
デヴィット・グレーバー『負債論』のような話もあり、難しいながらも読みごたえはあると感じた。
貨幣は政府が作ったのではなく、自然発生的に生まれたものだ、ということが書かれていた。
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仲正教授の本も少しだけ読んだ。ハイエクの理論を体系化するのは難しいと書かれていた。
また、本を読んでも結論は見当がつきやすく、結論だけを見ると興ざめしてしまう可能性があるが、むしろ大事なのはその思考のプロセスを研究することなのだということが書かれていた。
明日はそのつもりで読んでみたい。
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『考える日々 全編』
池田晶子と執行草舟という、偉大な二人の著述家を対比させると面白いほど意見が真っ二つに分かれる。
池田晶子の本はソクラテスが中心に書かれていて、ヘーゲルがその次に出てくる。
執行草舟氏の本はソクラテスについての言及はほとんどみられない。哲学者はベルグソン、ウナムーノ、アランあたりが頻繁に語られる。
池田晶子は普遍的な真理の存在を信じているだろうし、思考停止を認めない。無神論者に近く、信仰よりもロゴスが正しいとよく書いている印象がある。ロゴスに訊けという本もある。死生観については、「(一人称の)死は存在しない」といろんな本で語っている。
執行草舟氏は絶対に正しいことはないと、いろいろな本で語っている。ここが池田晶子と異なる。また、信仰の強さを力説しており、考え過ぎることは「わからぬがよろしい」という言葉からも分かるように、あまり良くないとみている。ロゴスよりパトスの人間だと自分にはみえる。死生観については、三島由紀夫と同様、死というものを強く意識していることが読者に伝わる。池田晶子は死なんかないからどうだっていい、という具合で、ここが二人が真っ二つにわれる点だ。
しかし、小林秀雄や西田幾多郎については二人ともその偉大さをよく語る。池田晶子は小林秀雄にラブレター(のような手紙)まで書いたそうである。
また、一日たりとも無駄にしないかまえ、態度は二人とも同じで、政治に対するポストモダンのような批判的態度(教育は洗脳だ云々)も似ていて、似たり似なかったりが読者としては面白い。
とりあえず平日は読書が進まない。