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読書日記384

    フロム『生きるということ 新装版』紀伊國屋書店 (2020年)

■株式会社紀伊国屋書店

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日記

つづきを読み進めた。(読書日記383に収録)

https://labo-dokusyo-fukurou.net/2024/05/10/%e8%aa%ad%e6%9b%b8%e6%97%a5%e8%a8%98383/

 

フロムの考察の対象である「所有」について読み進める。

フランスの文法学者であったデュ・マルセ (1676-1756) は、人間の意識を言語学の観点

から研究し、名詞の使用が増え、動詞の使用が少なくなっていることを指摘した。

そしてフロムは、この200年間でさらに顕著になったと語る。

「悩みを持っている」

「考えを持っている」

「欲望を持っている」etc.

これらは名詞をわざわざ使わなくても表現できる。

「悩んでいる」

「考える」

「欲望する」

所有と資本主義は表裏一体。

フロムは人間における無意識の変化をこの言語史から見出した。

これは非常に考えさせられた。

心理学と言語学との横断。

「無意識とは何か」という抽象論に向かうのではなく、言語や芸術など、人間の精神がはっきりと表れている事象から遡及して分析することに意義はあると思わせるものであった。

『愛するということ』において、フロムは「所有」としての「愛」を痛烈に批判している。

例えば「オレの女」という表現が日本にはあるが、これは資本主義の力学が働いていると言える。

また、人間の性的な魅力を「スペック」として推し量る人がネットを中心に現代にも存在する。

これも端的に「性の商品化」、つまりは結局資本主義の力学と思われる。

このことに関しては思想史と歴史を批判的に分析した上野千鶴子氏が詳しい。

例えば、「美人は得する」といった類いの常套句を真に受けてルサンチマンを抱く男性は、結局のところ性を商品化した自分達の責任だということに気づくことなしに、ブーメランのようにダメージとして返ってくるという話を上野氏の本から学んだ。

つづく

公開日2022-05-11

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