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日記
斎藤環『ビブリオパイカ 斎藤環書評集1997-2014』日本評論社 (2015年) を読む。
精神科医で医学博士、今個人的に注目している斎藤氏による「本の本」である。
書店に行くだけでは本に関する情報は掴めない。
「本の本」は次に読む本への「案内人」でもある。
勿論、偶然出会った本を買うこともあれば、目的買いをすることもある。
本の本を読むことによってアンテナが張られ、「これはあの本ではないか」と気づくことが増える。
精神科医ということで、哲学・思想・精神分析に関する本の紹介が多数ある。
「本の本」の代表格といえば松岡正剛氏による「千夜千冊」だと思うが、精神医学に関しては松岡氏も素人であるので、斎藤氏のような専門家による書評は深みがある。
今回は精神鑑定に関する書評等を読んでみた。
法学と精神医学のせめぎ合いが見てとれる。
斎藤氏によれば、日本の精神鑑定はある意味「でたらめ」であるという。
それは、精神医学の診断がそもそも「断定」ではなく「推測」である性質によるとされる。
しかし、法律は白黒ハッキリさせなければ「断定」できない。
「推測」vs「断定」の構造。
個人的に死刑囚に関する本は多数読んできたが、人間はアカデミズムの力で理解できるという考え方は、傲慢でしかないと感じている。
つづく
公開日2022-05-11
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